令和6年12月定例会における一般質問の内容がいわき市議会会議録検索システムに登録されたのでこちらにも掲載します。
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◆5番(小野光貴君) (拍手)5番いわき市議会日本維新の会、小野光貴でございます。
まず初めに、本年9月8日に執行されましたいわき市議会議員一般選挙におきまして、市民の皆様から多大なる御負託を賜りまして、今この場に立たせていただいておりますこと、誠に光栄に思います。それと同時に、自らに課せられた責任の重大さを日々痛感しており、御負託に応えるべく精進していかなければならないとの思いを日ごとに深めているところであります。
少子・高齢化と人口減少の急速な進行はもちろんのこと、昨今の気候変動によります災害の激甚化・頻発化、さらにはコロナ禍を経まして、一段とその重要性と加速度を増しているように感じられますデジタル化の流れなど、地方自治体を取り巻く環境の変化には非常に目まぐるしいものがございます。
医療と福祉のさらなる充実、災害に強いまちづくりの推進、自分で車を運転することが難しい方々に対する支援など、今現在でもいわき市の課題は山積しておりますが、時代の荒波が続々と押し寄せてくる中で、これまで当たり前のように運用してきた方法論ですとか、組織体制ですとか、従来の方法というものが通用しない困難な課題も今後ますます増えていくことが想定されます。
こうした状況下におきまして、多様化・複雑化する市民ニーズに対応するため、ここいわき市議会で交わされる議論をより深く、より広く、より開かれたものにしていく必要があると考えているところでございます。
市長をはじめとする執行部の皆様、並びに同僚議員の皆様、そして市民の皆様の御指導・御鞭撻を賜りながら、それぞれ異なる立場にありながらも目指す先は同じであります皆様と共に、このいわき市がさらに魅力あふれるまちとなるよう、精いっぱい努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、以下、通告順に従いまして、一般質問を行いたいと思います。
大きな質問の1つ目は、災害用地域臨時集積所についてでございます。
昨年9月、令和5年台風第13号の影響に伴いまして発生した線状降水帯による豪雨災害が、本市に甚大な被害をもたらしたことは、記憶に新しいところでございます。
災害への対応過程におきまして、課題の1つとして浮き彫りになったのが、災害廃棄物の集積所に係る問題でございました。
市が災害廃棄物の仮置場を開設するまでの間に、被災された地域住民の方々の片づけ作業によって排出された大量の災害廃棄物が、近隣の公園などにあふれ返ってしまう事態が発生したところでございます。この課題を解決するために、市では、災害廃棄物の臨時的な集積所を地域住民が主体となって設置できる仕組みを創設され、そのことは本年6月24日における市長記者会見において公表されましたところでございます。
市長記者会見におきまして、今後の進め方として述べられておりましたのが、速やかに住民主体の臨時集積所の設置に向けて各地域で説明を実施する、そして、昨年の台風被害があった地区や災害が想定されるエリアを重点的に推進する、秋の台風シーズンまでの設置を目指すという御説明がございました。
地域住民が主体で臨時集積所を開設し運営するという仕組み上、地域住民の御理解・御協力が不可欠であることは、言うまでもございません。
そこで、1点目の質問でございます。
災害用地域臨時集積所の設置に向けて行政区に対して、これまでどのような働きかけを行ってきたのかお伺いいたします。
◎生活環境部長 災害用地域臨時集積所の設置については、各支所と連携し、市内全域で説明会を行ってきました。
具体的には、台風シーズン前の8月までに、各地区の区長会に対し、制度の概要を説明しました。
また、地区の実情にきめ細やかに対応ができるよう、要望があった地区には個別に説明を行い、11月末までに延べ28回の説明会を実施しました。
◆5番(小野光貴君) ただいま御答弁いただいたような働きかけを行政区に対してされてきたということで承知いたしました。先ほど述べましたが市長記者会見におきまして、秋の台風シーズンまでの設置を目指すという御説明がなされておりました。現在、12月でございますから、秋の台風シーズンは終わりを迎えたわけでございます。
そこで、2点目の質問でございます。
災害用地域臨時集積所の設置状況についてお伺いいたします。
◎生活環境部長 設置状況につきましては、11月末現在、68件の届出が提出されており、うち14件については、登録を完了しています。
また、残りの54件は関係機関と協議を進めており、今月末までに完了する見込みでございます。
各地区が選定した場所につきましては、公園などの公有地が多く、約7割を占めています。
また、本制度は民有地も対象としていることから、個人が所有する空き地や地区が管理する集会所の敷地なども選定されているところです。
◆5番(小野光貴君) ただいま御答弁いただいた設置状況であるということで承知したところでございます。
この数値をどのように評価するのかというのは、なかなか難しいところでありまして、人によっても判断が分かれるところかなと私として今感じたところでございます。
私個人といたしましては、本当に重要であるのは設置箇所数ではなく、行政と地域住民との間で災害廃棄物に関する問題意識を共有することであると考えております。設置箇所数というのは、その問題意識の共有に伴って、その結果として数字になって表れてくるものであると考えておりますから、数字だけではなくその中身も見て判断していかなければならないと感じたところでございました。
市におかれましても、ぜひ量よりはその質の部分に着目して取組を進めていただければと思います。
さて、今年につきましては、秋の台風シーズンが終わりを迎えたところでございますが、我々がどれだけ台風に来ないでほしいと望んでみたところで、来年もまた季節は巡りまして、秋が訪れて、台風もまた襲来するわけでございます。それに対する備えを今のうちから十分にしていかなければなりません。
先ほど御答弁いただいた設置状況を聞くに、全ての災害リスクが高い行政区が災害用地域臨時集積所を設置したわけではないと受け止めました。
そこで、3点目の質問でございます。
災害用地域臨時集積所をまだ設置されていない行政区へ、今後どのような働きかけを行っていく考えかお伺いいたします。
◎生活環境部長 今後、設置の届出が出されていない行政区に対して、意向調査を実施します。
その結果を踏まえ、設置を希望する地区や検討中の地区に対しては、個別の実情に応じた支援を行っていきます。
◆5番(小野光貴君) ただいま御答弁いただいた意向調査などの働きかけを、今後行っていくということで理解いたしました。
この仕組みは、住民主体で臨時集積所を設置するものでございますから、地域住民の十分な理解と協力が必要不可欠でございます。また、設置したくとも適切な場所がないということで設置できないというような、様々な事情を抱えた地区もあるかと思います。設置ありきで働きかけを進めるのではなく、行政と地域住民との間で問題意識を十分に共有するような形で取組を進めていただければと御要望いたします。
また、その一方で、既に災害用地域臨時集積所が設置された行政区もありますが、この仕組みについては設置してそれで終わりというわけではないと捉えております。いざ災害が起きたときに、その仕組みが効果的に運用されなければ、せっかく先進的な取組を創設したところで、意味をなし得ないものだと考えております。それに加えまして、年度が改まれば行政区の役員なども変わりますし、臨時集積所として選定していた場所が、何らかの理由で使えなくなることも想定されます。
そこで、重要になるのは、行政として、継続的なフォローアップが必要になると考えております。
そこで、4点目の質問でございます。
災害用地域臨時集積所を既に設置されている行政区へ今後どのようなフォローアップを行っていく考えかお伺いいたします。
◎生活環境部長 登録が完了した行政区に対しては、開設時すぐに必要となる看板などの物品を支給しています。
今後につきましては、災害発生時にスムーズに開設・運営ができるよう、地域住民の皆様に本制度の周知を図るとともに、臨時集積所のレイアウト作成や運用方法について支援していきます。
さらに、住民参加型による臨時集積所の開設訓練の実施についても検討していきます。
◆5番(小野光貴君) ただいま御答弁いただいた訓練などのフォローアップも今後実施されていくということで、ぜひともその点につきましては丁寧に、そして継続的に行っていただければと思います。
例年地区ごとに防災訓練なども行われておりますから、そうした様々な機会も捉えて、災害廃棄物に係る問題意識の共有と、行政区に対するフォローアップなどを随時行っていただければと思います。もちろん、災害などが発生せずに、この仕組みが使われないということが、最も好ましいことではございますが、せっかく仕組みを作ったからには、もしそれが使われる場合には効果的なものとなるよう、丁寧な取組を進めていただくことを改めて要望いたします。
私は、好間町に生まれ育ちまして、今もなお好間町に暮らしておりますが、昨年の豪雨におきましては、好間町も少なからず被害を受けているところでございます。
そして、私個人もまた、5年前の令和元年東日本台風におきましては、床上浸水の被害を受けました。まさかここまで水は来ないだろうとたかをくくっていたがために、駐車場にとめていた車も駄目になってしまいましたし、かなりの量の家財を処分する羽目に陥りました。
被災した身からいたしましても、地区の復旧を早期に進める上で災害廃棄物を対応の初期にいかにコントロールするということの重要性は、十分に理解しているつもりでございます。
しかしながら、この仕組みは発災直後の臨時集積所を被災した地域の住民が自ら主体的に開設し運営するという、なかなかハードルも高い側面もあるように感じられますことから、くれぐれも地域住民に過大な負担がかからないよう十分に御留意いただければと、御要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
大きな質問の2つ目は、平字田町の飲食店街で発生した建物火災への対応についてであります。
本年5月に発生いたしました平字田町における飲食店街での建物火災は、非常に広範囲にわたって被害が及んだところでございます。
私もその日偶然用事がございまして、いわき駅前を訪れましたところ、既にいわき駅前一帯がもうもうと煙に包まれているという状況でございました。尋常ではないことが起こっていると感じまして、煙の出所に向かってみますと、飲食店街から大きな火の手が上がっておりまして、懸命な消火活動がなされている状況でございました。私は、その場面を目の当たりにしながら、火の手の向こう側に、建設中の高層マンションが空高くそびえ立っている光景を非常に印象深く受け止めました。
現在、並木通りの再開発といわき駅前のにぎわい創出を進めている中で、こうした火災が起きたことは、市としても非常に対応する課題であると受け止められたようで、直ちに市長をリーダーとし、商工会議所などをオブザーバーとするいわき駅前火災対応タスクフォースが設置され、これまで様々な取組がなされてきたものと認識しております。
先般、11月25日に行われました市長記者会見におきまして、タスクフォースを11月末に解散することが公表されたところでございます。ある組織が解散されるということは、その組織が役割を終えたということでありますから、その活動が一定の成果を上げたものだと受け止めております。
そこで、1点目の質問でございます。
いわき駅前火災対応タスクフォースを設置したことによって得られた成果についてお伺いいたします。
◎産業振興部長 いわき駅前中心市街地においては、官民が一体で、ハード・ソフト両面から、にぎわい創出に向けて取り組み、エリア価値の向上を目指しています。
いわき駅前火災対応タスクフォースは、こうしたにぎわい創出への火災の影響を最小限にとどめる対策を官民連携で進めるために設置されました。
歩行者の安全確保等を目的とした市道2路線でのバリケード設置、火災廃棄物撤去に向けた建物所有者との連絡調整などを行いました。
こうした取組を行う中で、火災発生前から予定されていた七夕まつりや、ほこみちの社会実験などを行うことができました。
また、火災廃棄物の撤去が進み、市道の通行が可能となり、現地で年内での再建の動きも見られる状況となってきました。
そのため、タスクフォースの取組を通して、火災による、にぎわい創出への影響を抑えることができたものと考えております。
◆5番(小野光貴君) ただいま御答弁いただいたような成果があったということで、タスクフォースがその役割を終えて、解散されたということについて、承知いたしました。
なかなか行政が関与しづらい課題である中で、可能な限り支援体制を構築しようと試みたという点におきまして、意義のある取組であったのかなと、私としても受け止めているところでございます。
しかしながら、タスクフォースが11月末に解散された後も、火災の爪痕というのは、今なお色濃く残っている状況にございます。
火災現場のバリケードが外されてすぐ田町を自分の足でぐるぐると歩いてみましたところ、撤去されずに残っている瓦礫が残っている状況を目の当たりにしたところでございます。
並木通りの再開発もいよいよ仕上げの段階に差しかかっており、いわき駅前のにぎわい創出に係る様々な取組が精力的になされている中で、火災によって生じた課題というのは、解決に向かっていかなければならないと、私としては感じているところでございます。
行政が関与しづらい課題とはいえ、このまちの玄関口であるいわき駅前の飲食店街の一部がああした状況というのは、公共的な性質も少なからず帯びているものと考えておりますから、行政として可能な限りの体制を整え、取組をしていく必要があるのかなと感じているところでございます。
そこで、2点目の質問でございます。
いわき駅前火災対応タスクフォースを解散した後、火災によって生じた今後の課題の解決に向けては、市としてどのような体制で対応していく考えかお伺いいたします。
◎産業振興部長 タスクフォース解散後も、引き続き、建物所有者の方が抱える個別・専門的な課題の解決に向け、担当部署が中心となって相談対応を行ってまいりたいと考えています。
具体的には、火災廃棄物の撤去に関する相談や助言、各種指導などを実施していきます。
また、事業再建に向け、商工団体や金融機関と連携した取組を実施するほか、いわき駅前中心市街地のにぎわいの回復、創出に向けた取組を推進していきます。
◆5番(小野光貴君) ただいま御答弁いただいたような体制で今後も取組を進められるということで承知をいたしました。
なかなか行政としての関与が非常に難しい課題ではございますが、いわき駅前のにぎわい創出の観点からも、可能な限り寄り添った取組というものを、関係機関と緊密に連携しながら、進めていただければと改めて要望させていただきます。
今回の一般質問では、災害用地域臨時集積所と平字田町における火災への対応の2つを取り上げさせていただきましたが、いずれもこれまでになかったような非常事態が発生した後に、行政としてそれに対してどのように対応していくかというところに焦点を絞らさせていただきました。
それぞれの対応で共通しているのは、行政だけが、地域住民だけが、民間の事業者だけが課題解決に向かって取り組むのではなく、それぞれ異なる主体が連携し、互いの強みを生かし合い、互いの弱みを補い合いながら、課題解決に向かって歩んでいくという姿勢であったかと思います。
冒頭にも述べさせていただきましたが、今後、いわき市を取り巻く環境がさらに目まぐるしく変わっていく中で、こうしたこれまでになかった事態というものが起こる可能性は、ますます高まっていくものと私としては考えております。
そうしたときに、やはり今回の事例のように、多様な主体が連携、役割分担しながら、問題に立ち向かっていくということが、これからの厳しい局面を乗り越えていく上で、最も重要なことだと思いますので、その点に御留意いただきながら市政各般にわたる取組を進めていただくことを御要望いたしまして、私の一般質問を終えたいと思います。御清聴のほど、ありがとうございました。(拍手)