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いわき市議会令和8年6月定例会一般質問

5番、いわき市議会フォーラムいわき、小野光貴です。

先日、私が住んでいる好間町下好間において、ツキノワグマと思われる野生動物の目撃情報がありました。
市内各地でツキノワグマと思われる野生動物の目撃情報が相次いでおりますが、今回、自宅のすぐ近くでそのような情報に接したことで、人と野生動物との距離がこれまで以上に近くなっていることを改めて実感したところであります。
人口減少や土地利用の変化など様々な要因があるものと思いますが、人と自然との距離が変化する中、豊かな自然環境をどのように守り、また自然とどのように共生していくのかは、今後ますます重要な課題になっていくものと考えております。
そうしたことも踏まえつつ、以下、通告順に従って、一般質問を行います。

【1】
大項目の一つ目は、生活排水処理について、です。

【1⑴】
中項目の一つ目は、公共下水道について、です。

生活排水処理は、市民の快適で衛生的な生活環境を支えるとともに、河川や海域などの公共用水域の水質保全を図る上で重要な役割を担っています。
その中でも公共下水道は、本市の生活排水処理の根幹をなす社会基盤として整備が進められてきました。
一方で、人口減少や施設の老朽化、維持管理費の増大など、下水道事業を取り巻く環境は大きく変化しています。
今後も持続可能な下水道事業を推進していくためには、現状と課題を的確に把握し、将来を見据えた事業運営を行っていくことが重要であると考えます。

【1⑴ア】
そこでまず一つ目として、本市における公共下水道の現状について伺います。

市答弁
生活環境部長
本市の公共下水道事業は、旧平市における昭和33年の事業認可に始まり、その後、市街化の
進展に伴い、順次、事業区域を拡大してきました。
令和6年度末時点の進拔状況としましては、整備進抄率が96.1%、接続人口が15万7,533人となっています。

【1⑴イ】
次に二つ目として、本市における公共下水道の課題について伺います。

市答弁
生活環境部長
本市は、広大な事業区域に、管路、ポンプ場及び処理場などを多数有しており、施設の老朽化対策が急務であります。
また、人口減少による使用料収入の減少や、担い手不足への対応など、事業環境は厳しさを増す状況にあります。
こうした中、安定的で持続可能な事業経営の実現に向けて、維持管理の高度化や更なる業務の効率化を図ることが課題となっています。

本市における公共下水道の現状と課題について答弁していただきました。
公共下水道は重要な社会基盤である一方、人口減少の進行や施設の老朽化などにより、今後の事業運営はこれまで以上に厳しさを増していくものと考えます。
また、地域によって人口密度や地理的条件が異なることから、すべての地域において同じ手法で生活排水処理を進めていくことが必ずしも最適とは限りません。
こうした中、国においては、本年3月27日に「下水道法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。
改正案では、昨年1月に埼玉県八潮市で発生した老朽化した下水管の破損に起因する大規模な道路陥没事故などを踏まえ、下水道施設の維持管理及び更新の強化、広域連携の推進など、将来にわたり持続可能な下水道事業を構築するための制度整備が盛り込まれています。
また、その一つとして、人口減少等の社会情勢の変化を踏まえた下水道区域の見直しに必要な規定の整備も盛り込まれており、今後は地域の実情に応じて、公共下水道から合併処理浄化槽への転換も選択肢の一つとしながら、効率的かつ持続可能な生活排水処理を実現していく方向性が示されています。
これまで下水道整備を進めてきた自治体においても、将来にわたる維持管理や更新費用を見据えながら、公共下水道と合併処理浄化槽を適切に組み合わせていく視点が一層重要になるものと考えます。

【1⑴ウ】
そこで次に三つ目として、持続可能な生活排水処理体制を構築するには、地域の実情に応じて下水道区域の見直しや合併処理浄化槽への転換も含めた検討が必要と考えるが、市の所見について伺います。

市答弁
生活環境部長
市では、人口減少や施設の更新需要を見据え、持続可能な生活排水処理に向けて、平成27年度に「市総合生活排水対策方針」を改定しました。
この方針に基づき、下水道区域の縮小や、合併浄化槽への転換及び普及促進など、地域の実情を踏まえた排水処理の見直しを行ってきたところです。
今後も、国の動向や人口動態を注視し、地域の皆様との丁寧な対話のもと、安定的な事業運営に向け、区域見直しの必要性などを含め、必要な検討を行います。

私としては、ただちに公共下水道から合併処理浄化槽へ転換すべきだと申し上げているわけではありません。
広域多核都市である本市にとっては、一律の考え方で対応できる問題ではなく、重要なのは、それぞれの地域の実情に応じて最適な生活排水処理の手法を選択していくことだと考えております。
自治体によっては、人口減少や施設の老朽化を踏まえ、下水道区域を大幅に見直した事例もあります。
その中には、合併処理浄化槽への転換を進めるため補助制度を拡充した事例や、能登半島地震のような災害を契機として、従来の処理方式の維持が困難となり、見直しを行った事例も見受けられます。
一方、本市においては、ただいま答弁いただいたように、これまでも下水道区域を比較的限定して整備を進めてきた経緯があります。
これは結果として、将来を見据えた英断であったのではないかと受け止めております。
しかしながら、先般公表された令和7年国勢調査速報値では、本市の人口は30万6,495人となり、前回調査から2万6,436人減少しました。
減少率は7.9%と過去最大であり、人口減少への対応は待ったなしの状況にあるものと認識しております。
現在、市では市制施行60周年を契機として、100周年を見据えた「31万人のまちづくりビジョン」の策定を進めております。
しかし、その名称に掲げられた31万人という人口規模を速報値はすでに下回っており、人口減少は想定以上のスピードで進んでいるものと受け止めております。
国が下水道区域の見直しに係る規定を整備しようとしている背景にも、こうした人口減少の急速な進行があるものと思われます。
本市はこれまで一定の手当てを行ってきたことから、ただちに大きな影響を受ける状況にはないかもしれません。
しかし、100周年を見据えたまちづくりを進めていく上では、道路や上下水道をはじめとする社会基盤をどのように維持し、次世代へ引き継いでいくのかという視点が極めて重要であり、生活排水処理のあり方も避けて通ることのできない課題であります。
難しい課題ではありますが、地域の実情を踏まえながら柔軟に対応していただくことを改めて要望し、次の中項目に移ります。

【1⑵】
中項目の二つ目は、合併処理浄化槽について、です。

先ほど申し上げたとおり、将来にわたり持続可能な生活排水処理体制を構築していくためには、公共下水道だけでなく、地域の実情に応じた様々な手法を適切に組み合わせていくことが重要であると考えております。
その中で、合併処理浄化槽は、し尿と生活雑排水を併せて処理することにより、生活環境の保全や公共用水域の水質改善に大きく寄与する生活排水処理施設であります。
また、公共下水道の整備が困難な地域においては、効率的かつ効果的な生活排水処理手法として重要な役割を担っており、人口減少社会を迎える中、その重要性は今後ますます高まっていくものと考えます。

【1⑵ア】
そこでまず一つ目として、本市における合併処理浄化槽の普及状況について伺います。

市答弁
生活環境部長
本市における公共下水道等の汚水処理人口普及率は、令和7年度末において約93%となっています。
このうち、合併処理浄化槽の使用人口が占める割合は、約34%となっています。

【1⑵イ】
次に二つ目として、本市における合併処理浄化槽の普及の課題について伺います。

市答弁
生活環境部長
合併処理浄化槽の最小規格である5人槽の切替え工事でも、平均約150万円の費用が
発生すること。
既設の単独処理浄化槽や汲み取り便槽が使用可能であり、使用者が切替えの必要性を感じていないことなどが課題であると考えています。

本市における合併処理浄化槽の普及状況と課題について答弁していただきました。
合併処理浄化槽は、生活排水による環境負荷の低減や公共用水域の水質保全に大きく寄与する重要な生活排水処理施設であります。
一方で、その設置や転換には一定の費用負担を伴うことから、普及を進める上では行政による支援が重要であると考えます。
また、依然として単独処理浄化槽やくみ取り便槽を使用している世帯も存在していることから、生活環境の向上や水質保全をさらに進めていくためには、これらから合併処理浄化槽への転換を促進していく必要があります。
そのためには、補助制度の充実はもとより、市民にとって利用しやすい支援制度を整備していくことも重要であると考えます。
本市においては、「市浄化槽整備事業補助金」が設けられており、合併処理浄化槽の設置や転換を支援する仕組みが整備されております。
先ほど答弁していただいた課題への対応を考える上でも重要な制度であると考えます。

【1⑵ウ】
そこで三つ目として、市浄化槽整備事業補助金の概要について伺います。

市答弁
生活環境部長
市浄化槽整備事業補助金は、既設の住宅に設置された単独処理浄化槽又は、汲み取り便槽から合併処理浄化槽へ切替えする場合に補助金を交付するものです。
人槽ごとの合併処理浄化槽設置費用、宅内配管の工事費用、及び既存浄化槽等の撤去費用に対して、それぞれ定額で補助するものです。

補助制度の概要について答弁していただきました。
制度を設けることは重要ですが、その効果を検証するためには、実際にどの程度活用されているのかを把握することも必要であると考えます。
特に、生活排水対策の観点からは、合併処理浄化槽への転換がどの程度進んでいるのかが重要であると考えます。

【1⑵エ】
そこで次に四つ目として、同補助金の過去3か年における合併処理浄化槽への切替えに対する補助の交付実績について伺います。

市答弁
生活環境部長
令和5年度は、交付件数が165件で交付額が1億4,784万4千円。令和6年度は、交付件数が116件で交付額が1億274万5千円。令和7年度は、交付件数が113件で交付額が1億220万2千円となっています。

補助制度の活用状況について答弁していただきました。
利用実績も一定程度あるとのことであり、合併処理浄化槽の普及促進に効果を上げている制度であると受け止めております。
ただ、この補助金は一般住宅を対象とした制度であると認識しております。
生活排水対策を推進していくためには、一般住宅のみならず、地域住民が利用する公共的な施設についても適切な排水処理が行われることが重要であると考えます。
また、公民館や集会所等は地域コミュニティ活動の拠点であり、多くの市民が利用する施設であることから、その排水処理の状況を把握することは、今後の生活排水対策を検討する上で有意義であると考えます。
そのような中、本市では令和7年12月に「公民館・集会所等排水状況アンケート」を実施したと聞き及んでおります。
地域で管理する公民館や集会所等の排水処理の実態を把握するための取組みであると認識しておりますが、その結果は今後の施策を検討する上でも参考になるものと考えます。

【1⑵オ】
そこで次に五つ目として、令和7年12月に実施した「公民館・集会所等排水状況アンケート」の概要について伺います。

市答弁
生活環境部長
アンケートは、浄化槽処理促進区域内に公民館及び集会所が所在する行政区内の170施設に対し、2つの設問で、実施しました。
1問目は、現在使用している施設が合併処理浄化槽か、単独処理浄化槽かなどの「施設の排水状況」の確認。
2問目は、単独処理浄化槽または汲み取り便槽を使用している場合における、「合併処理浄化槽へ切替えない理由」です。

アンケートの概要について答弁していただきました。
生活排水対策の現状を把握し、今後の施策につなげていくためには、調査によってどのような実態が明らかになったのかが重要であると考えます。
特に、公民館や集会所等における排水処理の状況や、単独処理浄化槽、くみ取り便槽の利用状況などは、今後の生活排水対策を検討する上で重要な基礎資料になるものと考えます。
また、地域で管理されている施設であるからこそ、維持管理や費用負担など、一般住宅とは異なる課題も見えてきたのではないかと思います。

【1⑵カ】
そこで次に六つ目として、同アンケートの結果について伺います。

市答弁
生活環境部長
アンケートには、150施設から回答がありました。
その回答結果について、主な構成比を申し上げます。
「施設の排水状況」は、汲み取り便槽が約58%、単独処理浄化槽が約27%、合併処理浄化槽を設置済みが約8%です。
「合併処理浄化槽へ切替えない理由」は、切替えの対象となる127施設において、「現在の施設が使用可能」が約51%、「費用の捻出が困難」が約37%です。

アンケート結果について答弁していただきました。
地域住民が利用する公民館や集会所等の中には、単独処理浄化槽やくみ取り便槽を使用している施設が依然として存在している実態が明らかであると受け止めさせていただきました。
また、それらを合併処理浄化槽へ転換するにあたっては、費用面などに課題があることも分かりました。
こうした施設は地域コミュニティ活動の拠点として重要な役割を担っている一方、その多くは地域住民による自主的な管理運営が行われており、施設の維持管理や設備更新に係る負担も課題となっています。
また、生活排水による環境負荷の低減や公共用水域の水質保全を進める観点からも、これらの施設における排水処理の改善は重要であると考えます。
アンケートによって実態が明らかになった以上、今後はこうした施設に対する支援のあり方についても検討していく必要があるのではないかと考えます。

【1⑵キ】
そこで次に七つ目として、地域コミュニティの維持及び生活環境の保全の観点から、市浄化槽整備事業補助金の対象を住宅だけではなく地域住民が維持管理する公民館や集会所などにも拡充すべきと考えるが、市の所見について伺います。

市答弁
生活環境部長
公民館や集会所は、地域の皆様が公益的に利用する施設ですが、合併処理浄化槽の割合が低い状況であることから、切替えの促進が必要と認識しています。
一方、市浄化槽整備事業補助金の財源である県補助金は、対象を既存住宅に限定しています。
そのため、県に対し、昨年度、福島県市長会を通じ地域の公民館や集会所などへの補助対象の拡充を要望しているところです。
更に、公民館等を市補助金の対象とした場合でも、地域の自己負担が生じるため、引き続きニーズを把握しながら、実情に応じた制度を検討していきます。

そうした考えであるということで理解いたしました。
人口減少や地域コミュニティの担い手不足が進む中にあって、集会所や公民館が果たす役割は今後ますます大きくなっていくものと考えております。
地域住民の交流や生涯学習、防災活動など、地域コミュニティの拠点として重要な施設でありますので、ぜひ前向きに捉え、国や県とも連携しながら検討を進めていただきたいと思います。
生活排水処理は、市民生活の衛生環境の向上に直結するものであり、快適で安全な暮らしを支える重要な社会基盤であります。
また、河川や海などの公共用水域の水質保全にも大きく関わるものであり、本市の豊かな自然環境を次世代へ引き継いでいく上でも欠かすことのできない取組みであると考えております。
特に私の地元である好間地区には、本市で最初に整備された浄水場である上野原浄水場があり、好間川の表流水を大滝江筋から取水するなど、本市の水道水の原水を支える重要な役割を長年にわたり担ってまいりました。
生活排水処理の適切な推進は、単に生活環境の改善にとどまるものではなく、水道水の水源を守り、市民の健康で安全な暮らしを支えることにもつながる重要な施策であります。
今後、人口減少や施設の老朽化が進む中にあっては、従来の公共下水道整備に加え、地域の実情に応じて合併処理浄化槽を有効に活用していく視点もますます重要になるものと考えております。
公共下水道と合併処理浄化槽、それぞれの特性を活かしながら、効率的で持続可能な生活排水処理体系の構築に取り組んでいただくことを改めて要望いたしまして、次の中項目に移ります。

【1⑶】
中項目の三つ目は、今後の方向性について、です。

ここまで生活排水処理について、公共下水道と合併処理浄化槽という二つの視点から伺ってまいりました。
今後は人口減少や財政制約、施設の老朽化などを踏まえながら、地域の実情に応じた効率的かつ持続可能な生活排水処理のあり方を検討していく必要があると考えております。

そこで最後に、生活排水処理の今後の方向性について伺います。

市答弁
生活環境部長
本市は、広域多核型の都市構造であるとともに、複数の中山間地域が点在しています。
このことから、生活排水処理事業は、公共下水道・地域汚水処理・農業集落排水処理・合併処理浄化槽など地域の実情に応じた処理をしています。
今後、人口減少の更なる進行や施設の老朽化に伴う更新費用の増大など、事業を取り巻く環境は更に厳しさを増していくものと見込んでいます。
このため、地域の実情に応じた、最適な排水処理方法などを適宜、検討し、汚水処理人口普及率の100%達成と持続可能な生活排水処理事業の構築を目指します。

大変な課題ではありますが、ぜひよろしくお願いいたします。
生活排水処理には、今回取り上げた公共下水道や合併処理浄化槽のほか、地域汚水処理施設や農業集落排水処理施設など様々な手法があります。
特に農業集落排水事業については、令和8年2月定例会において使用料改定が議論となったところであり、各事業を取り巻く環境は決して容易なものではないと認識しております。
今後は、それぞれの地域特性や人口動態、施設の状況を踏まえながら、最適な生活排水処理のあり方を検討していく必要があるものと考えております。
一方で、本市には夏井川水系や鮫川水系といった豊かな水環境と、それにつながる海があります。
近年は津波や豪雨災害などにより、水が災害をもたらす存在として語られることも少なくありません。
しかし、本来、河川や海は私たちに豊かな水資源や食、産業、自然環境といった多くの恵みをもたらしてきた存在でもあります。
また、冒頭に申し上げたツキノワグマと思われる野生動物の目撃事例を見ましても、人と自然との共生について改めて考えていく必要性を感じております。
こうした豊かな自然環境と水環境を次世代へ引き継いでいくためにも、生活排水処理の着実な推進と公共用水域の水質保全に引き続き取り組んでいただきたいと思います。
人口減少や施設の老朽化が進む中にあっても、本市の実情に応じた持続可能な生活排水処理体制の構築に取り組まれることを改めて要望いたしまして、私の一般質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。