令和8年9月定例会一般質問について、次のとおりです。
読み原稿をもとにしているため、実際と異なる点がありますが、ご容赦ください。
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5番、いわき市議会フォーラムいわき、小野光貴です。
質問に入ります前に、令和8年熊本地震をはじめ、本市を含む全国各地で相次いだ大雨により、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
また、被災された皆様が、一日も早く穏やかな日常を取り戻されますことを、心より願っております。
それでは、以下、通告順に従い、一般質問を行います。
【1】
大項目の一つ目は、
イオンモールいわき小名浜を活用した津波避難対策について、
です。
冒頭に触れました令和8年熊本地震では、イオンモール熊本において、地震発生後に爆発事故が起き、多数の死傷者が出るなど、大きな被害が発生しました。
この事故は、大規模商業施設を災害時に活用する上では、避難者の受入れだけでなく、施設の安全確認や避難誘導、避難後の対応についても、平時から備えておく必要があることを改めて示したものと受け止めています。
イオンモールいわき小名浜は、日頃から多くの市民や観光客が訪れるとともに、津波発生時には、周辺にいる方々の避難先としても重要な役割を担う施設です。
そのため、施設と行政が役割を共有し、実際の災害を想定した受入体制や安全対策を整えておくことが重要です。
こうした教訓と問題意識を踏まえ、イオンモールいわき小名浜を活用した本市の津波避難対策について、以下、伺ってまいります。
【1⑴】
中項目の一つ目は、
津波避難施設としての位置付けについて、
です。
津波が発生した際、来館者や周辺住民が迷わず安全に避難するためには、避難できる場所や経路、受入れ体制を、あらかじめ明確にしておくことが重要です。
また、施設内のどこまで避難できるのか、どのように誘導されるのかといった情報を、平時から市民や施設利用者に分かりやすく周知しておく必要があります。
01/33
【1⑴ア】
そこで、一つ目として、
本市がイオンモール株式会社と締結している「津波発生時における緊急一時避難施設としての使用に関する協定」について、避難者が使用できる施設の場所等は、どのようになっているのか、伺います。
答弁(危機管理部長)
市とイオンモール株式会社との協定では、本市の沿岸部に津波警報等が発表された場合、イオンモールいわき小名浜の建物を津波避難ビルとして使用させていただくこととなっています。
避難者が避難する場所は屋上駐車場で、受入人数は最大で約3,300人としております。
実際に津波が発生した際、多くの方々を混乱なく安全に受け入れ、円滑な避難につなげるためには、施設の場所を定めるだけでなく、本市と施設側がそれぞれ何を担うのかを、あらかじめ明確にしておくことが重要です。
02/33
【1⑴イ】
そこで、二つ目として、
同協定における本市とイオンモール株式会社との役割分担は、どのようになっているのか、伺います。
答弁(危機管理部長)
本市の役割については、市民の皆様が速やかな避難行動がとれるよう、平時は津波避難ビルへの誘導看板を設置し、周知を行うほか、災害時は津波避難ビルの使用について広報することとなっています。
一方、イオンモールいわき小名浜側の役割については、津波警報等の発表時、避難者を受け入れ、適切な避難誘導を行うとともに、市に連絡することとなっております。
協定や役割分担を定めていても、実際の災害時には、想定どおりに対応できない事態も考えられます。
イオンモールいわき小名浜を津波避難施設として確実に機能させるためには、実際の避難を具体的に想定し、施設の利用や避難者の受入れに当たって、現在どのような課題があるのかを把握しておく必要があります。
03/33
【1⑴ウ】
そこで、三つ目として、
本市は、イオンモールいわき小名浜を津波避難施設として使用する上で、現時点においてどのような課題があると認識しているのか、伺います。
答弁(危機管理部長)
イオンモールいわき小名浜は、津波に対応した津波避難ビルの機能を備えた建物として整備されております。
一方、今回のイオンモール熊本における事故は、地震によりガス設備等に破損が生じ、大規模な爆発が発生したものと報道されております。
本市としましては、こうした設備等に起因する事故の発生は想定していなかったことから、今後は、地震発生直後における設備等も含めた施設の安全性をいかに確認していくかが課題であると認識しております。
イオンモールいわき小名浜を津波避難施設として確実に機能させるためには、避難者の受入れ体制を整えるだけでなく、地震などにより施設自体が被災した場合に、避難先として安全に使用できるのかを速やかに確認することも重要です。
【1⑵】
そこで、中項目の二つ目は、
施設が被災した場合の安全確認について、
です。
被災した施設を避難場所として使用するためには、建物や設備の安全性を速やかに確認し、その結果に基づいて、避難者を安全に受け入れることができるかを適切に判断する必要があります。
また、災害時の混乱を避けるためには、誰が安全確認を行い、どのような基準によって施設の使用可否を判断するのかを、平時から明確にしておくことが重要です。
04/33
【1⑵ア】
そこで、一つ目として、
地震等によりイオンモールいわき小名浜が被災した場合、建物及び設備の安全確認は、誰がどのような基準に基づいて行うこととなっているのか、伺います。
答弁(危機管理部長)
建物等の安全確認については、施設管理者であるイオンモールいわき小名浜が行うこととなります。
なお、イオンモールいわき小名浜によりますと、大規模な地震が発生した場合、施設の責任者であるゼネラルマネージャーが建物等の安全性を確認するとのことです。
実際の災害時には、安全確認が完了する前に、多くの避難者が施設へ到着することも十分に想定されます。
そのような状況において、避難者の安全を最優先にしながら、施設内への受入れの可否を迅速に判断するためには、判断を行う主体や手順をあらかじめ明確にしておく必要があります。
05/33
【1⑵イ】
そこで、二つ目として、
施設の安全確認が完了していない段階において、避難者を施設内に受け入れるかどうかは、誰がどのように判断するのか、伺います。
答弁(危機管理部長)
津波警報等が発表される中、地震等により建物等が被災し、安全確認が完了していない場合、施設責任者は、施設外への避難誘導や施設への立入り規制を行うとともに、速やかに市へ連絡いただくこととなります。
これを受け、市では、津波避難ビルとして使用できないと判断し、その旨を防災行政無線等で周知することとなります。
そうした判断を迅速かつ適切に行うためには、施設の被害状況や安全確認の進捗、その結果を、本市と施設管理者との間で速やかに共有することが重要です。
また、災害時の混乱の中でも確実に連絡を取り合えるよう、連絡手段や情報共有の手順について、平時から確認しておく必要があります。
06/33
【1⑵ウ】
そこで、三つ目として、
施設の被害状況や安全確認の結果について、本市と施設管理者が迅速に情報を共有する体制は、どのようになっているのか、伺います。
答弁(危機管理部長)
本市とイオンモールいわき小名浜間の情報共有体制につきましては、緊急の連絡体制や具体的な連絡方法等について協定において規定しております。
建物等の安全の確認ができた場合においては、速やかに市へ連絡し、津波避難ビルとして避難者の受入れ体制を整えていただき、避難者を受け入れた後には、その人数や対応状況などについても相互に連絡することとしています。
施設の被害状況によっては、イオンモールいわき小名浜を避難場所として使用できない事態も想定しておく必要があります。
そのような場合に備え、避難者をどこへ、どのように誘導するのかをあらかじめ明確にするとともに、一つの施設だけに頼ることなく、津波から市民の命を守るための避難体制を確保しておくことが重要です。
【1⑶】
そこで、中項目の三つ目は、
施設が使用できない場合の対応及び津波避難体制について、
です。
大規模災害時には、施設そのものが被災して使用できなくなることに加え、多くの避難者が一斉に集中し、受入可能人数を超えることも想定されます。
そのような場合であっても、避難者が行き場を失うことなく、安全に避難できるよう、代替となる避難先や避難経路をあらかじめ確保し、市民や施設利用者に分かりやすく周知しておくことが重要です。
07/33
【1⑶ア】
そこで、一つ目として、
イオンモールいわき小名浜が被災して使用できない場合又は受入可能人数を超える場合、本市は代替となる避難先等をどのように確保することとしているのか、伺います。
答弁(危機管理部長)
津波警報等発表時において、市民等が避難する場所として、浸水想定区域外に「津波避難場所」、浸水想定区域内においては一時的な避難場所として「津波避難ビル」を指定しています。
地震等の影響により、イオンモールいわき小名浜が使用できない場合におきましては、まずは浸水想定区域外の避難場所や安全な高台への避難を促すこととなります。
また、時間的に浸水想定区域外の避難場所等への避難が難しい場合には、他の津波避難ビルへの避難を促すこととなります。
代替となる避難先が確保されていても、災害時にその情報が市民や来訪者へ迅速かつ正確に伝わらなければ、円滑な避難にはつながりません。
混乱が予想される中でも、避難者が正しい情報に基づいて安全に行動できるよう、施設の使用可否や受入状況、代替避難先などを、複数の手段によって確実に伝える体制を整えておくことが重要です。
08/33
【1⑶イ】
そこで、二つ目として、
イオンモールいわき小名浜の使用可否、使用可能な場所、受入可能人数及び代替避難先等の情報を、市民や来訪者に迅速に伝達する体制は、どのようになっているのか、伺います。
答弁(危機管理部長)
津波避難ビルは、津波警報等発表時における避難場所であることから、基本的には、その都度使用の可否をお知らせする必要はないものと考えています。
一方で、施設自体が使用できないケースも想定されるため、市は速やかに施設の安全性等の確認ができない場合には、代替の避難先について広く周知します。
その具体的な伝達方法としましては、防災行政無線、緊急速報メール、SNSに加え、Lアラートを通じたテレビ等への配信などを活用し、迅速かつ確実な情報伝達に努めていきます。
津波避難対策をより確実なものとするためには、情報伝達の充実に加え、一つの施設だけに依存せず、避難先を複数確保し、地域全体の避難機能を高めていくことも重要です。
その観点から、小名浜港周辺エリアにおいて現在検討されている新スタジアムについても、スポーツや交流の拠点としての機能だけでなく、災害時における役割を併せて検討する必要があると考えます。
09/33
【1⑶ウ】
そこで、三つ目として、
災害発生時には、様々な要因によりイオンモールいわき小名浜が使用できない場合も想定されますが、現在検討されている新スタジアムは、小名浜港周辺エリアの津波避難対策上、どのような役割を担うことが想定されているのか、伺います。
答弁(危機管理部長)
津波浸水区域の避難対策につきましては、浸水区域外へ速やかに水平避難することが基本であり、万が一逃げ遅れた場合は、近くの津波避難ビル等へ避難することとなります。
このような前提を踏まえ、昨年度に開催された小名浜港周辺エリアにおける防災・交通対策協議会では、スタジアムはイオンモールいわき小名浜と同様に、周辺エリアにおける津波避難ビルとしての役割を期待する意見も出されたところです。
このことから、現在、同協議会の防災対策の部会において、スタジアムに求められる防災機能について協議を進めており、今後、協議会としての意見を取りまとめ、スタジアム整備の主体である「いわきスポーツクラブ」に提言することとしております。
イオンモールいわき小名浜をはじめとする民間施設や、今後整備が検討される新スタジアムも含め、地域全体で避難機能を確保し、市民や来訪者の安全を高めていくことが重要であると考えます。
新スタジアムについては、今後、施設の具体的な規模や機能が明らかになる中で、災害時の受入可能人数や避難経路、避難者を受け入れる際の課題なども、より具体的に見えてくるものと思います。
実際の災害時には、施設そのものが被災したり、想定を超える人数が避難してきたりするなど、事前の想定どおりにはいかない事態が発生する可能性もあります。
だからこそ、一つの施設や方法だけに頼るのではなく、二の矢、三の矢となる避難先や避難手段を準備し、様々な状況を想定しながら、避難体制を不断に見直していく必要があります。
先般、この議会棟で開催された「おやこ議場見学会」においても、参加したお子さんから、小名浜に新スタジアムを建設することについて、防災上の安全性を心配する趣旨の質問がありました。
お子さんからもこうした質問が出るほど、小名浜地域の津波避難に対する市民の関心は高く、地域の皆様からも、小名浜地域の防災対策を不安視する声が聞かれます。
こうした不安に応えていくためには、施設や計画を整備するだけでなく、実際の災害を想定した訓練を重ね、その結果を避難体制の改善につなげていくことが重要です。
今後、新スタジアムの規模や機能が具体化する段階に合わせて、イオンモールいわき小名浜やいわきスポーツクラブをはじめとする関係機関、地域住民などが一体となった津波避難訓練についても、ぜひ検討していただきたいと思います。
熊本で発生した事例なども教訓としながら、関係機関との連携を一層密にし、より実効性のある津波避難体制の構築に向けて取組みを進めていただくことを要望し、次の大項目に移ります。
【2】
大項目の二つ目は、
理数系人材の育成について、
です。
本市の将来を担い、これからの社会を支える人材を育成していくためには、その土台となる算数・数学の基礎的な学力を、子どもたちが着実に身につけていくことが重要です。
近年では、生成AIをはじめとする新たな技術が急速に普及し、社会や産業の在り方も大きく変化しています。
こうした時代を生きていく上で、科学技術やデータを正しく理解し、それらを活用して課題を解決する力の重要性は、これまで以上に高まっています。
一方で、私は、「理数系」や「人文系」といった言葉によって、学問の分野を二つに分けて捉えることは、必ずしも適切ではないと考えています。
実際には、それぞれの分野は独立したものではなく、互いに関わり合い、重なり合うものです。
これからの社会では、理数系の知識と人文・社会科学的な視点の双方を持ち、それらを結びつけて考える力が求められます。
ただ、今回の質問では、議論を分かりやすくするため、あえて「理数系人材」という言葉を用いながら、本市における人材育成の現状と今後の取組みについて、伺ってまいります。
理数系人材を育成するためには、まず、その基礎となる算数・数学について、本市の子どもたちがどの程度の学力を身につけているのか、その現状を正確に把握する必要があります。
【2⑴】
そこで、中項目の一つ目は、
令和8年度全国学力・学習状況調査の結果について、
です。
全国学力・学習状況調査の結果については、平均正答率の高低だけで捉えるのではなく、どのような分野に強みや課題があるのか、その背景も含めて分析し、今後の授業改善につなげていくことが重要です。
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【2⑴ア】
そこで、一つ目として、
本市の小学校算数の平均正答率は53%で、福島県平均を1ポイント、全国平均を3.4ポイント下回り、中学校数学は52%で、福島県平均を1ポイント、全国平均を5ポイント下回っていますが、教育委員会は、この結果をどのように分析しているのか、伺います。
答弁(教育長)
令和8年度全国学力・学習状況調査の算数・数学の結果につきましては、平均正答率は県と同程度と捉えていますが、全国と差が見られており、本市の課題の一つであると認識しています。
また、記述式問題に対しての取組状況を見ますと、無解答や解答を途中であきらめてしまう割合が高く、知識・理解を積み上げていく算数・数学の教科特性もあることから、学習過程のある時点での「つまずき」が、その後の学習内容の定着に影響を与えている可能性があるものと考えています。
今後の学力向上につなげるためには、平均正答率や設問ごとの結果を分析するだけでなく、その背景にある児童生徒の学習への取り組み方や学習習慣、日頃の授業や指導における課題についても、丁寧に把握することが重要です。
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【2⑴イ】
そこで、二つ目として、
小学校算数及び中学校数学のいずれも福島県平均を下回るとともに、中学校数学では全国平均との差が大きくなっていることについて、本市の児童生徒の学習状況等をどのように分析しているのか、伺います。
答弁(教育長)
議員お質しのとおり、県平均との比較では、小中学校ともに同程度と捉えていますが、特に中学校では全国平均との差が見られます。
また、中学校数学の正答数分布を見ますと、全国と比較して上位層の割合が低く、中間下位層及び下位層の割合が高くなっており、特に中間下位層に属する生徒が多く分布していることが分かりました。
これらのことから、一斉指導のみの授業内容だけでの対応では、指導が難しくなっていると考えております。
今後の指導に当たりましては、下位層へのきめ細かな支援はもちろんのこと、中間層の生徒たちが思考・判断・表現する力を高め、上位の学力層へステップアップできるための個別最適な指導の充実が必要と考えています。
今回の調査結果をさらに詳しく見ていくためには、平均正答率だけでなく、問題に対して解答を記入しなかった「無解答率」にも注目する必要があります。
無解答率には、問題の内容を理解できなかった場合だけでなく、解答の見通しを立てられなかった場合や、自分の考えを適切に表現できなかった場合など、児童生徒が抱える様々な課題が表れている可能性があります。
12/33
【2⑴ウ】
そこで、三つ目として、
令和8年度全国学力・学習状況調査の速報では、中学校数学において、全国平均と比較して無解答率が高い問題が多く見られますが、問題形式及び評価の観点別の無解答率の状況を踏まえ、その要因をどのように分析しているのか、伺います。
答弁(教育長)
中学校数学における無解答率の要因につきましては、問題形式別の傾向として、理由や考え方の説明を記述して解答する「記述式」の問題において無解答率が特に高くなっています。
また、記号で選ぶ「選択式」に比べると、式や数字のみで答える「短答式」においても無解答率が全国よりも高くなっています。
さらに、評価の観点別に見ますと、「知識・技能」を問う問題に比べ、自ら考えを組み立てるような「思考・判断・表現」を求める問題で無解答率が高い傾向にあります。
これらのことから、図表から必要な情報を読み取り、道筋を立てて考えるなど、数学的に思考・判断・表現する力に課題があると分析しています。
そうした課題が市内全体に共通して見られるものなのか、それとも学校や学級によって傾向に違いがあるのかという点も、今後の指導改善を考える上で重要です。
学校や学級ごとの結果を単純に比較するのではなく、それぞれの傾向や背景を丁寧に把握することで、実情に応じた授業改善や、必要な支援につなげることができると考えます。
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【2⑴エ】
そこで、四つ目として、
算数・数学の結果について、学校間や学級間の傾向を踏まえ、教育委員会はその要因をどのように分析しているのか、伺います。
答弁(教育長)
学校間の傾向としましては、正答率が高い学校ほどICT機器の活用状況や、主体的・対話的で深い学びの授業展開の状況が良好である傾向が見られます。
こうしたICT活用の取組や授業改善は、正答率に影響を与える要因の一つと捉えており、一層の改善を進めていくことが重要であると考えています。
また、学級の傾向につきましては、児童生徒の自己有用感や規範意識が高いと、学び合おうとする意識が高まり、学習環境に好影響を与える傾向が見られます。
このことから、学習指導面と併せて、自己有用感などの非認知能力を育成することも大切であると考えています。
そうした分析は、それ自体を目的とするものではありません。
明らかになった強みや課題を各学校と共有し、日々の授業改善や、児童生徒一人ひとりの状況に応じた指導の充実につなげていくことが重要です。
【2⑵】
そこで、中項目の二つ目は、
分析結果を踏まえた算数・数学教育の充実について、
です。
本市では、全国学力・学習状況調査に加え、ふくしま学力調査や市独自の児童生徒理解アンケートなど、様々な調査を実施しています。
それぞれの調査から得られる情報を組み合わせ、児童生徒の学力や学習状況を多面的に捉えた上で、その分析結果を実際の教育活動に生かし、一人ひとりの学力向上につなげていくことが重要です。
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【2⑵ア】
そこで、一つ目として、
全国学力・学習状況調査、ふくしま学力調査及び市独自の児童生徒理解アンケートの分析結果を、算数・数学の授業改善にどのように反映しているのか、伺います。
答弁(教育長)
分析結果については、これらの調査結果を一元的にまとめた学校カルテで「見える化」し、多面的に分析できる環境を整えています。
各学校では、学校カルテを活用し、研修主任を中心に、学校全体や学年ごとに分析や校内研修を行っています。
これにより、教科の学力のほか、自己有用感や学習意欲などの非認知能力、学習方法などについて、自校の強みや課題を分析し、児童生徒に対する個別支援の在り方や、意欲を高めるような授業改善につなげています。
そうした取組みは、分析結果を共有するだけで終わるのではなく、学校カルテなどを活用して各学校や学級の課題を明確にし、具体的な授業改善につなげるとともに、その成果を継続的に検証していくことが重要です。
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【2⑵イ】
そこで、二つ目として、
学校カルテを活用して把握した各学校及び学級の算数・数学における課題について、授業改善等につながった具体的な成果はあるか、伺います。
答弁(教育長)
本市の学力向上アドバイザー訪問や各校の取組状況の報告などから、学校カルテのデータ分析をもとに学級の実態を把握し、個別最適な授業を展開するなど、授業改善に取り組んでいる実践が報告されています。
そのような好事例を教育委員会が取りまとめ、各学校に発信して共有を図っているところです。
また、学力向上につながった事例として、学校カルテと教員同士の対話を通した分析から自校の課題を見いだし、それを意識した取組を進めた学校もあります。
対話を重視した授業づくりを推進したり、積極的にICT機器を活用したりと、課題を焦点化することで授業改善が図られ、正答率の高さにつながっていると考えられます。
学校間で取組の差があることは課題であるものの、このような分析結果をもとに授業改善や学力向上が着実に進んでいることは、学校カルテを活用した一つの成果であると考えています。
これからの算数・数学教育では、知識や技能を身につけることに加え、児童生徒が自ら課題を見いだし、学習の見通しを立て、試行錯誤しながら答えを導き出す力を育てることも重要です。
教員から与えられた問題を解くだけでなく、児童生徒が主体的に考え、自分の学びを振り返りながら、次の学習につなげていく授業が求められます。
16/33
【2⑵ウ】
そこで、三つ目として、
中学生の「数学の学習活動」及び「学びの自己調整」に関する状況が全国平均を下回ったことを踏まえ、児童生徒が自ら課題を設定し、考え、試行錯誤する探究的な学習をどのように充実させていくのか、伺います。
答弁(教育長)
「探究的な学び」については、児童生徒が自ら課題を見つけ、情報を収集・分析し、まとめ・表現するといった「探究のプロセス」を重視しています。
そのためには「総合的な学習の時間」を中心として、児童生徒が各教科等で得た知識などを教科横断的に活用しながら、課題解決を図る学習活動を行うことが重要であると考えています。
各学校においては、地域の特色に応じた様々な課題を設定し、学習活動を展開しているところです。
また、今年度より市総合教育センターにおいて「探究のプロセス」に関する教員研修を新設し、授業の在り方についての研修も進めているところです。
国においても、次期学習指導要領改訂に向けて「探究的な学び」の一層の重要性が議論されています。
市教育委員会としましても、各学校に対し、「探究的な学び」の充実に向けた校内での積極的な議論と実践を進めるよう指示しているところです。
そうした学びを着実に積み重ねていくためには、小学校と中学校で指導が分断されることなく、児童生徒のつまずきや学習状況を継続的に把握し、発達段階に応じて指導をつないでいくことが重要です。
特に、算数から数学へと学習内容が高度になり、抽象的な考え方が増える中学校への進学時には、小学校での学習状況を適切に引き継ぎ、一人ひとりの課題に応じた指導につなげる必要があります。
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【2⑵エ】
そこで、四つ目として、
小学校から中学校への進学後に数学の課題が大きくなることを踏まえ、小中学校間で児童生徒のつまずきや学習状況を共有し、9年間を見通した指導をどのように進めていくのか、伺います。
答弁(教育長)
小中学校間での学習状況を共有した指導については、9年間を見通した系統的な学習指導や生徒指導が重要であると考えています。
そこで今年度より、全ての中学校区において「小中連携授業研究会」を実施し、連携した教育活動の充実・強化を図ることで、児童生徒の切れ目のない学びに向けた取組を進めているところです。
本研究会は、小中学校が同じ地区の児童生徒の学びを共有することを通して、互いの教育活動の改善につなげていくことを目的としています。
こうした小中学校の教員同士の対話や交流は、中学校教員が「義務教育の土台」を知り、小学校教員が「義務教育の出口」を知る貴重な機会となっています。
この小中連携を柱として、算数・数学においても、学習過程における「つまずき」を解消し、学びの積み上げを意識した指導を進めるなど、9年間を見通した円滑な接続に向け、指導の充実に努めていきます。
算数・数学は、これまでに学習した内容を土台として、新たな内容を積み重ねていく教科です。そのため、一度つまずくと、その後の学習内容の理解にも影響が及ぶことがあります。
学習内容の理解や定着には個人差があることから、特につまずきを抱えている児童生徒に対しては、つまずいた段階まで遡り、それぞれの習熟度や課題に応じた、きめ細かな支援を行うことが必要です。
18/33
【2⑵オ】
そこで、五つ目として、
算数・数学を苦手とする児童生徒の基礎学力を保障するため、習熟度やつまずきに応じた個別の支援をどのように充実させていくのか、伺います。
答弁(教育長)
算数・数学の「つまずき」の早期解消に向けては、これまでの授業改善に向けた取組に加え、ICT機器を効果的に活用し、個別最適な学びの環境をつくっていくことが重要であると考えています。
現在、各学校では、児童生徒が自分に合った課題や学び方を選択して学習を進められるような授業づくりにも取り組んでいます。
具体的には、児童生徒が自身の習熟度や目標に合った難易度の課題を選択したり、一人で解き進めるか、友達との対話で理解を深めるかなど、学習方法を選択したりしながら、自分のペースで理解を深められるよう工夫しています。
今後は、タブレット端末を活用したAIドリルによる即時採点やヒント解説機能を生かし、自らの理解度やペースに合わせて主体的に学習を進められるよう、個に応じた学びの充実を図っていきます。
さらに、専門家の先駆的な研究成果等を生かし、児童生徒一人ひとりの理解度に応じたきめ細かな指導を導入することなどにより、児童生徒の確かな学力向上につなげていきたいと考えています。
そうしたきめ細かな支援を実効性のあるものとし、算数・数学の授業そのものをさらに充実させていくためには、指導に当たる教員の専門性や指導力を高めていくことが欠かせません。
また、効果的な指導方法や授業実践を一人の教員だけにとどめず、学校内や学校間で共有し、市全体の授業改善につなげていくことも重要です。
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【2⑵カ】
そこで、六つ目として、
算数・数学の授業改善を進めるため、教員の指導力向上に向けた研修や専門的な支援をどのように充実させていくのか、伺います。
答弁(教育長)
教員の指導力向上に係る研修等の支援につきましては、指導主事等による学校訪問での指導・支援のほか、市総合教育センターにおいて、教員の課題感やニーズに応じた研修などを行ってきました。
また、今年度より、学力向上に係る先進的な取組を進めている秋田県由利本荘市へ本市教員を派遣し、指導法の工夫や効果的な授業実践について研修を行っているところです。
今後は、その成果を市全体で共有・普及することにより、教員の指導力向上につなげていきます。
ここまで、算数・数学における基礎学力の定着や授業改善について伺ってきましたが、理数系人材を育成していくためには、学力を伸ばす取組みだけでなく、児童生徒が理数分野そのものに興味や関心を持ち、自ら学びを深めたいと思える機会を充実させることも重要です。
また、一人ひとりの興味や意欲を学びにつなげ、それぞれが持つ能力や可能性をさらに伸ばしていく視点も必要です。
【2⑶】
そこで、中項目の三つ目は、
理数分野への関心と能力を育てる取組みについて、
です。
児童生徒が理数分野への興味や関心を深めていくためには、教室で知識を学ぶだけでなく、観察や実験、体験的な活動などを通して、科学や数学の面白さに触れることが重要です。
また、学校で学ぶ内容が、身近な生活や地域の産業、科学技術など、実社会の中でどのように活用されているのかを実感できる機会を充実させることも必要です。
20/33
【2⑶ア】
そこで、一つ目として、
本市では、児童生徒が理数分野の魅力や実社会とのつながりを実感できるよう、どのような学習機会を設けているのか、伺います。
答弁(教育長)
児童生徒が理数分野の魅力や実社会とのつながりを実感できるためには、学校での学びを社会につなぐ探究的な活動の推進が重要であると考えています。
本市における学習機会の一つとしましては、今年度から実施しているキャリア教育推進事業の「いわき中学生Basecamp」において、そのような機会を設定しています。
具体的には、経済同友会との連携のもとに、市内のエネルギー事業について学んだり、参加生徒の探究テーマに応じて「ミチノテラス豊洲」や「東京都環境科学研究所」などの施設を訪問して、学びを深めたりする様々な体験の機会を設けています。
参加した生徒からは、「自然界の力について知識を深め、探究テーマの解決に一歩近づいた」や「社会と自然環境と人間が共存できる世界にしたい」といった声が寄せられています。
今後は、こうした実践の報告会などを通して参加生徒の学びの効果を市内全体に広げ、理数分野への関心をさらに高めていきたいと考えています。
そうした取組みによって理数分野に関心を持つ児童生徒の裾野を広げていくことに加え、特に高い関心や能力を持つ児童生徒が、自らの可能性をさらに伸ばせる環境を整えることも重要です。
学校の授業だけでは十分に扱うことが難しい、より専門的、発展的な内容に触れられる機会を設け、児童生徒の意欲や能力に応じて学びを深められるようにする必要があります。
21/33
【2⑶イ】
そこで、二つ目として、
理数分野に高い関心や能力を持つ児童生徒に対して、その関心や能力をさらに伸ばすための発展的な学習機会をどのように確保していくのか、伺います。
答弁(教育長)
これまで、児童生徒に対しては、県の「算数・数学ジュニアオリンピック」や「科学の甲子園ジュニア」などの各種コンテストへ積極的に参加を促したり、希望者への事前勉強会を実施したりするなどの支援を行ってきました。
また、今年度からは、市内中学生の問題解決能力や思考力・判断力・表現力等の育成を目的として、本市独自に「探究活動成果発表コンテスト」を開催します。
学びの成果を広く発信する本コンテストは、理数分野を含む探究活動を通して得た知識や考察を論理的に整理し、効果的に他者に伝える能力を育成する、発展的な学習の機会となるものと考えています。
今後も、児童生徒の高い関心や能力をさらに伸ばすため、発展的な学習の機会の創出に努めていきます。
そうした学習機会を充実させる一方で、住んでいる地域や通っている学校、家庭の状況によって、参加のしやすさや得られる学びに差が生じないようにすることも重要です。
希望する児童生徒が、それぞれの置かれた環境に左右されることなく、発展的な学習に挑戦できる機会を広く確保する必要があります。
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【2⑶ウ】
そこで、三つ目として、
居住地域、在籍校及び家庭環境にかかわらず、児童生徒が発展的な理数教育を受けられる機会をどのように確保していくのか、伺います。
答弁(教育長)
学校以外の場所での発展的な理数教育の機会は、本市の中学生対象の「いわき中学生Basecamp」や「探究活動成果発表コンテスト」を行うほか、小学生を対象とした「土曜学習」の中でも行っているところです。
市内の公民館が主催するこの「土曜学習」では、企業と連携した科学実験教室や、退職教員が自然現象の仕組みを分かりやすく体験できる科学講座などを実施しています。
これらの事業は、市内全ての児童または生徒が参加することができ、理数分野を含め、充実した体験活動ができる貴重な機会となるものです。
今後におきましても、これらの取組について、学校やPTAとの連携のもと継続した周知広報に努め、児童生徒の参加の機会を、より一層広げていきます。
そうした学びの機会をさらに充実させていくためには、学校教育の枠内だけでなく、大学や研究機関、企業などが持つ、専門的な知見や設備、人材を生かしていくことも重要です。
本市には、豊かな自然環境に加え、様々な産業や企業が集積しています。
これらを実践的な学びの場として活用し、学校で学ぶ理数分野の知識と地域の産業や課題を結びつけることで、本市ならではの人材育成につなげることができると考えます。
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【2⑶エ】
そこで、四つ目として、
福島県、大学、高等学校、高等専門学校、研究機関及び市内企業等と連携し、本市の産業や地域資源を生かした独自の理数系人材育成プログラムを構築する考えはあるか、伺います。
答弁(教育長)
理数系人材育成に資する教育の充実につきましては、これまで福島大学のSTEAM研究所や福島高専などの専門機関へ、教育委員会として視察を行っております。
市独自の「探究活動成果発表コンテスト」は、その視察で得られた知見をもとに企画したものであり、今年度は、福島高専の教員に審査員を依頼するほか、コンテスト終了後に、成績上位者が高校生の探究コンテストへ参加することも計画しています。
高校レベルの様々な理数系の発表に触れることは、理数系分野への関心をさらに高める効果があるものと期待しています。
今後も、「いわき中学生Basecamp」や「探究活動成果発表コンテスト」などの取組が、理数教育の観点からより充実したものとなるよう努め、理数系人材の育成につなげていきたいと考えております。
本市の将来を担う人材を育てるためには、基礎学力の定着に加え、子どもたち一人ひとりの興味や能力を伸ばし、地域全体でその学びを支えることが重要です。
本市には、企業や大学をはじめ、様々な教育資源があります。こうした地域の資源と学校教育が連携することで、子どもたちは学ぶ楽しさや、学校での学びと実社会とのつながりを実感できると考えます。
全国学力・学習状況調査では、小学校算数、中学校数学ともに課題が見られ、特に中学校数学では全国平均との差が大きくなっています。
中でも、私が気になったのは無解答率の高さです。その理由は一人ひとり異なり、結果だけで判断することはできません。しかし、自分にはできないと感じ、十分に考える前に諦めてしまう子どもがいるとすれば、そこに大きな課題があると考えます。
算数や数学は、分からなかったことが分かったときや、自分で考えて答えにたどり着いたときに、喜びや面白さを感じられる教科です。その面白さに触れる前に、苦手意識を持って諦めてしまうのは、非常にもったいないことです。
本市は、新産業都市の指定を受け、その計画を推進するために14市町村が合併して誕生し、今年、市制施行60周年を迎えました。本市は、ものづくりをはじめとする多様な産業によって発展してきたまちであり、その基礎の一つが、算数や数学であると考えています。
近年、本市では英語教育に力を入れています。英語を学び、世界とつながる力を身につけることは大切です。それと同時に、算数・数学や科学をはじめ、子どもたちが興味を持つ分野や得意とする分野を伸ばすことも、同じように重要です。
私自身、子どもの頃は英語よりも算数や数学に興味があり、分からない問題を考えることに夢中になっていました。
子どもたちが、それぞれの好きなことや得意なことに自信を持ち、その能力をさらに伸ばせる教育環境を整えていただきたいと思います。
基礎学力を保障するとともに、英語だけでなく、算数・数学や科学を含め、一人ひとりの多様な興味や能力を尊重し、地域全体でその可能性を育てる取組みを進めていただくことを要望し、次の大項目に移ります。
【3】
大項目の三つ目は、
身寄りのない方の死亡後事務と終活支援について、
です。
単身世帯の増加や家族関係の希薄化、家族の在り方の多様化が進む中、身寄りのない方や、親族がいても支援を受けることが難しい方が増えていくことが見込まれます。
こうした方が亡くなった場合、火葬や埋葬をはじめ、遺品の整理や住居の明渡し、各種契約の解約など、様々な死亡後の手続きを誰が担うのかという課題は、今後、さらに重要になるものと考えます。
また、この問題は、亡くなった後の手続だけではなく、本人が元気なうちから、人生の最期や亡くなった後のことについて相談し、自らの希望を整理しておく終活支援とも深く関わっています。
身寄りの有無にかかわらず、誰もが自らの意思を尊重され、安心して人生の最期を迎えることのできる体制を整えるという観点から、本市の対応について伺ってまいります。
【3⑴】
そこで、中項目の一つ目は、
火葬又は埋葬を行う者がいない場合の対応について、
です。
身寄りのない方などが亡くなり、火葬や埋葬を行う方がいない場合には、行政が対応を担うケースがあります。
今後の支援体制や行政の負担を考える上でも、まず、本市において、実際にどの程度こうした事例が生じているのか、その件数と推移を確認する必要があります。
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【3⑴ア】
そこで、一つ目として、
火葬又は埋葬を行う者がいないことから、本市が行旅病人及行旅死亡人取扱法等に基づいて火葬等を行った件数について、過去5年間の推移を伺います。
答弁(保健福祉部長)
過去5年間の行旅病人及び行旅死亡人取扱法等に基づく対応件数は、令和3年度が1件、4年度が0件、5年度が2件、6年度が0件、7年度が2件となっています。
身寄りのない方の死亡後の対応には、行旅病人及行旅死亡人取扱法や墓地、埋葬等に関する法律に基づくものだけでなく、亡くなった方が生活保護を受給していた場合などに、生活保護法に基づく葬祭扶助によって対応する場合もあります。
本市が対応している事例の全体像を把握するためには、こうした葬祭扶助の実施状況についても確認する必要があります。
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【3⑴イ】
そこで、二つ目として、
生活保護法に基づく葬祭扶助のうち、葬祭を行う扶養義務者がいないことなどを理由として実施した件数について、過去5年間の推移を伺います。
市答弁
過去5年間の生活保護法に基づく葬祭扶助による対応件数は、令和3年度が109件、4年度が126件、5年度が124件、6年度が122件、7年度が113件となっています。
本市においても、身寄りがないなどの理由から、亡くなられた後の対応を行政が担わなければならないケースが、実際に生じています。
こうした場合、行政には、火葬を行うだけでなく、引取り手のない遺骨の保管や埋葬、遺留金品の管理など、その後に生じる様々な事務についても、関係法令に基づいて適切に対応することが求められます。
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【3⑴ウ】
そこで、三つ目として、
厚生労働省が令和7年に改訂した「身寄りのない方が亡くなられた場合の遺留金等の取扱いの手引」では、引取り手のない遺体・遺骨に関する自治体の対応例が示されていますが、本市では、同手引を踏まえ、どのように対応しているのか、伺います。
答弁(保健福祉部長)
市は、「身寄りのない方が亡くなられた場合の遺留金等の取扱いの手引」を踏まえ、「行旅病人及び行旅死亡人取扱法」「墓地、埋葬等に関する法律」または「生活保護法」のいずれかに基づき、火葬、埋葬、相続人・扶養義務者の調査等を行います。
身寄りのない方が亡くなられた場合には、火葬や埋葬だけでなく、親族や関係者の有無をどのように確認するのか、また、残された現金や預貯金、その他の遺留金品をどのように保管し、処理するのかといった課題も生じます。
これらの事務は、亡くなられた方の財産や権利に関わるものであり、慎重かつ適切に進める必要がある一方、行政にとっても相当な時間と負担を伴うことが想定されます。
【3⑵】
そこで、中項目の二つ目は、
親族等の調査及び遺留金品の取扱いについて、
です。
身寄りのない方が亡くなられた場合であっても、まずは親族や関係者の有無を確認し、遺体の引取りや葬祭を行う意思があるかどうかを把握する必要があります。
一方で、親族が確認できたとしても、長期間にわたって交流が途絶えている場合や、様々な事情から引取りが難しい場合も考えられます。
そのため、親族関係だけでなく、本人を支援してきた関係者なども含め、丁寧に調査を行うことが重要です。
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【3⑵ア】
そこで、一つ目として、
遺体の引取りや葬祭を行う者がいない場合、親族等の有無や意向をどのように調査しているのか、伺います。
答弁(保健福祉部長)
警察の調査などにより、葬祭を行う者がいないことを把握した場合においては、市が火葬を実施します。
同時に、相続人・扶養義務者調査を進めながら、相続人等を把握した場合には、文書または訪問により、御遺骨の引取り等についての意向確認を行います。
調査の結果、親族等による引取りがなされない場合には、故人が残した現金や預貯金、その他の遺留金品についても、関係法令に基づき、適切に管理・処理する必要があります。
遺留金品は、相続や財産上の権利に関わるものであることから、その内容や保管状況を正確に記録し、透明性を確保しながら慎重に取り扱うことが重要です。
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【3⑵イ】
そこで、二つ目として、
本市は、遺留金品をどのように取り扱っているのか、伺います。
答弁(保健福祉部長)
お亡くなりになった方に遺留金品がある場合には、市が火葬・埋葬等に支出した費用に対して、遺留金品を充当させていただいています。
親族等による引取りがなされない場合には、遺留金品だけでなく、火葬後の遺骨を誰が、どこで、どの程度の期間保管し、その後どのように取り扱うのかという課題もあります。
引取り手のない遺骨についても、故人の尊厳に十分配慮しながら、適切に保管し、埋蔵等につなげていく必要があります。
【3⑶】
そこで、中項目の三つ目は、
引取り手のない遺骨の取扱いについて、
です。
市が火葬等を行った場合、その後も親族等による引取りがなされなければ、遺骨を行政が保管することになります。今後、こうした事例が増加すれば、保管する遺骨の数や期間も増えていくことが想定されます。そのため、保管場所を確保するだけでなく、故人の尊厳に配慮しながら、遺骨を適切に管理する体制を整えておくことが重要です。
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【3⑶ア】
そこで、一つ目として、
本市が火葬等を行った後、親族等に引き取られなかった遺骨について、どのように保管しているのか、伺います。
答弁(保健福祉部長)
現在、市が保管している御遺骨は315柱であり、いわき市東田墓園の納骨堂型合葬墓地に収蔵させていただいています。
一定期間保管を続けても引取り手が現れない場合には、その遺骨を最終的にどのように取り扱うのかという課題が残ります。
遺骨を行政が長期間にわたって保管し続けることには、保管場所や管理上の課題もあることから、故人の尊厳に十分配慮しつつ、合葬墓地への埋蔵など、最終的な取扱いに関する考え方や手順を明確にしておく必要があります。
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【3⑶イ】
そこで、二つ目として、
一定期間を経過しても引取り手が現れない遺骨について、東田墓園又は南白土墓園の合葬墓地の活用を含め、最終的にどのように取り扱っているのか、伺います。
答弁(保健福祉部長)
納骨堂型合葬墓地の収蔵期間は20年となっているため、20年を経過した御遺骨については、他の御遺骨と共に東田墓園の合葬式墳墓へ埋蔵しています。
ここまで、身寄りのない方が亡くなられた後に、行政がどのように対応するのかについて伺ってきました。
一方で、こうした課題に対応するためには、亡くなった後に行政が対応するだけでなく、本人が元気なうちから、自らの希望や意思を整理し、必要な情報を残しておくことも重要です。
緊急時の連絡先や、火葬・納骨に関する希望、契約や財産に関する情報などを、あらかじめ信頼できる形で確認できるようにすることで、本人の意思を尊重した対応につなげるとともに、死亡後の事務を円滑に進めることができると考えます。
【3⑷】
そこで、中項目の四つ目は、
本人の意思を死亡後の対応につなげる仕組みについて、
です。
身寄りのない方であっても、葬儀や納骨、その他の死亡後の手続について、自らの希望を持っている場合があります。しかし、その希望を生前に家族や支援者などへ伝える機会がなければ、本人が亡くなった後に、その意思を確認することができなくなるおそれがあります。本人の意思を尊重するためには、その希望を生前に把握し、必要な情報を適切に記録・保管した上で、実際に死亡後の対応を担う関係部署や関係者へ確実に引き継ぐ仕組みが必要であると考えます。
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【3⑷ア】
そこで、一つ目として、
身寄りのない方が生前に示した葬儀、納骨その他の死亡後の手続に関する希望を、本市が行う死亡後の対応に反映する仕組みはあるのか、伺います。
答弁(保健福祉部長)
身寄りのない高齢者の増加が見込まれる中、本市では、いわき市版エンディングノート「いわき安心ノート」を各地区保健福祉センター及び地域包括支援センターで希望者に対し配布しており、高齢者が人生の最期に向けた想いや希望を整理し、本人の意思を尊重した対応につなげることができるよう支援しております。
加えて、従来よりNPO法人地域福祉ネットワークいわきが実施していた「入居・入所・葬送等支援事業」について、令和8年度から一部委託事業として位置づけ、支援の充実を図っております。
当該事業の仕組みといたしましては、御本人が生前に葬祭事業者や墓地管理者と契約を結ぶ際、希望が確実に反映されるよう当該NPO法人が仲介を行い、御本人が亡くなられた際には、当該NPO法人が事業者と連携し、契約内容に基づいて対応し、その実施を確認する仕組みとなっております。
本人の意思を確実に死亡後の対応につなげるためには、希望を書面などに残してもらうだけでなく、必要になったときに、その情報の存在や保管場所を確認できることが重要です。
せっかく本人が希望を残していても、その情報がどこにあるのか分からず、必要な方や機関に伝わらなければ、実際の対応に生かすことができません。
そのため、必要な情報をあらかじめ登録し、本人が意思表示できなくなった場合や亡くなった場合に、関係者へ確実に伝達する仕組みが必要であると考えます。
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【3⑷イ】
そこで、二つ目として、
自治体によっては、市民が緊急連絡先、葬儀や納骨等の生前契約先、遺言書やエンディングノートの保管場所、墓の所在地等をあらかじめ登録し、本人が意思表示できなくなった場合や亡くなった場合に、関係機関や本人が指定した方へ必要な情報を伝達する「終活情報登録伝達制度」を設けていますが、こうした取組みについて、本市の所見を伺います。
答弁(保健福祉部長)
いわゆる「終活情報登録伝達制度」につきましては、全国的に単身高齢者が増加する中、本人の意思が途切れることなく尊重され、安心して人生の最終段階を迎えられるよう支援する有用な仕組みであると認識しております。
本市におきましては、終活相談の体制整備に加え、リビングウィルやエンディングノートの保管場所等を登録し、必要な情報を遺族や関係機関へ適切に開示できるようにする仕組みづくりなど、終活支援の在り方について検討を進めているところです。
終活に関する課題は、情報の登録や伝達だけにとどまるものではありません。
葬儀や納骨、財産管理、遺言、緊急連絡先の整理など、本人が元気なうちから考え、準備しておくべき事柄は多岐にわたります。
また、何から準備を始めればよいのか分からない方や、法律や福祉に関する専門的な支援を必要とする方もいることから、気軽に相談でき、必要に応じて専門機関につなぐことのできる支援体制が重要です。
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【3⑸】
そこで、中項目の五つ目は、
終活支援体制の整備について、
です。
ここまで、身寄りのない方が亡くなられた後の行政の対応から、本人の意思を生前に確認し、死亡後の対応へつなげる仕組みまで伺ってきました。今後、単身世帯の増加や家族関係の変化が進む中では、問題が生じてから個別に対応するだけではなく、市民が元気なうちから自らの将来について考え、必要な準備を進めることができるよう、行政として総合的に支援していく視点が重要です。また、終活支援は、単に亡くなった後の事務を円滑に進めるためだけのものではありません。自らの希望や意思を整理し、将来への不安を軽減することで、今を安心して自分らしく生きることにもつながる取組みであると考えます。身寄りの有無にかかわらず、誰もが自らの意思を尊重され、安心して人生の最期を迎えることのできる環境を整えるためには、相談、情報登録、関係機関との連携などを、一体的に進めていく必要があります。
そこで、最後に、
仙台市では、「今を大切に生きる終活支援条例」に基づき、終活相談窓口の設置など、終活支援の充実を図っていますが、本市においても、終活相談や終活情報の登録、死亡後事務に関する支援をより一層推進するため、条例の制定も含め、終活支援体制を強化していく考えはあるか、伺います。
答弁(保健福祉部長)
仙台市の「今を大切に生きる終活支援条例」は、市民一人ひとりの意思が尊重され、安心して終活に取り組むことができるよう、終活支援の体制整備やその運用について明文化されているものです。
現在、本市におきましては、NPO法人による「入居・入所・葬送等支援事業」のほか、「いわき安心ノート」の普及啓発に取り組んでいるところです。
今後につきましては、これまでの取組に加え、リビングウィルやエンディングノートの保管場所等の登録制度の創設を検討するとともに、終活支援に関する総合的な相談支援体制の在り方についても調査・研究を進めながら、終活支援体制の強化に努めてまいります。
身寄りの有無にかかわらず、誰もが自らの意思を尊重され、安心して人生の最期を迎えることができるよう、今後、さらに取組みが進められることを期待いたします。
これから我が国は、超高齢社会がさらに進み、多くの方が人生の最期を迎える、いわゆる「多死社会」に本格的に入っていくことになります。
それに伴い、医療や介護に対する需要が高まるだけでなく、死亡後の手続や身寄りのない方への対応など、市が担う役割も増え、財政的、人的な負担も大きくなることが想定されます。
だからこそ、課題が深刻になってから対応するのではなく、市民が元気なうちから、自らの希望や必要な情報を整理し、将来に備えられるよう支援することが重要です。
終活支援は、本人の安心につながるだけでなく、死亡後に生じる事務や関係者の負担を軽減するという意味でも、今後ますます重要な政策課題になるものと考えています。
先ほど取り上げた仙台市の条例は、議会からの提案によって制定されたものです。
福祉、医療、介護、法律、財産管理など、多くの分野が関わるこの課題については、行政に対応を求めるだけでなく、議会としても何ができるのかを考えていく必要があります。
行政と議会、関係機関、そして地域が一体となって、誰もが安心して最期まで暮らせる地域をどのようにつくっていくのか、私自身も引き続き考え、取り組んでまいります。
以上で、私の一般質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。